世間一般的には「性格は変わらない」と言われることが多いようです。
でも、私たちがカウンセリングを行うときは「性格は変わる」ことを前提に行います。
なぜならば、「性格は生まれつきではない」と考えるからです。
例えば、私が、
「人の目が気になってしまい、いつも緊張してしまう。言いたいことを飲み込んでしまう」
性格だとします。
実際、長年そうでした。
「この人は大丈夫」「誰も人のことなんて気にしてないはず」と頭では思うけど、なんとなく怖さを感じてしまい、言いたいことが言えない感じになる。
では、私は生まれたときからすぐに
「人目が気になって緊張する!」
と思って生まれてきたのでしょうか?
その頃の記憶はないのですが、たぶんそんな赤ちゃんはいないと思います。少なくとも、私は見たことがないです。
だとすれば、私は生まれてから大人になるこれまでの間の環境の中で、なんらかの出来事や、人との関わりを通して「人目を気にする」「言いたいことを言わない」性格になったのです。
その原因は、色々考えられます。
「お父さんとお母さんが喧嘩ばかりで家の中で気を使っているうちに、人目が気になるようになった」とか
「人から見られて恥ずかしくないようにちゃんとすることを求められていた」とか
「幼稚園や学校で友達と比べられて馬鹿にされた経験や、馬鹿にされている人を見て自分はそうならないようにした」とか。
そうやって、環境の影響の中で、
「こんな時は、こんな風に考えて、こんな風に感じて、こんな風に行動するんだ」という
思考・感情・行動のパターン
をいくつもいくつも決断した、その決断の集まりが「性格」だと、インナーチェンジングセラピーでは考えます。
まだ言葉を喋れない頃の決断だとすれば記憶にはないけど、そのときの肌感覚や感情とともに、いいものもそうでないものも、脳の中に刻み込まれていきます。そうやって、様々な積み重ねで私たちは性格を作り上げていくのです。
その性格を変えようとするとき、多くの場合は「緊張しなくても大丈夫」自分に言い聞かせたり、「気にしないようにしよう」などと、思考面や行動面からなんとかしようとします。でもたいていの場合は、頭ではわかっているのに、気持ちがついていかない、ということがおこります。
インナーチェンジングセラピーは、問題となっている思考や行動もとりあげますが、その思考や行動のもととなっている感情面を大切にしていきます。気づいていなかったり未消化であったりする感情を適切に消化していくことで、認知や行動の自然な変化を目指します。
実際のカウンセリングでは、お話しをお聞きしながら、今問題と感じていることについての思考・行動・感情のパターンについて、クライアントさんとカウンセラーが二人三脚で明らかにしていきます。
そして、ご自身がそのパターンを変えたいと思われた時には、エンプティチェア(空椅子)と空想を使い、 そのパターンの元になった決断や思い込みを手放し、新しいものに変えていくとたいうことをしていきます。
もし、今はネガティブに感じるものがあったあとしても、それは幼い頃の自分が、自分の身を守るために決めたこと。
自分で決めたことだからこそ、自分で変えることができるのです。
理屈や知識で無理に変えようとするのではなく、心の内側に秘めた感情面からアプローチするので、途中、怖かったり、悲しかったり、腹が立ったり、嫌だったり、不愉快な感情を感じますが、感じることでしっかり消化されるとその不愉快さが自然に消えていきます。
そして気がつくと、自分の行動や感じ方などが自然に変わっていく。ご自身が変えたいと思うことだけに焦点をあてていくのでカウンセリングの後で変わったかどうかもわかりやすいのも特徴です。
心の内面から変わる=性格が変わる
だから、インナーチェンジングセラピーなのです。
●「感情処理法」
●「交流分析」
●「人格適応論」
●「愛着のカウンセリング」
●「認知行動療法」
これらの理論を背景としたカウンセリング手法が【インナーチェンジングセラピー】です。
多くのカウンセリングが行動面の変化、つまり問題行動をどうするのかというその人の外側に焦点を当てたものであることに対し、内面の変化に焦点を当て、その結果として行動が変容することを目的としたものです。
一般的に行動を変化させるためには、なぜその行動をとったのかという思考を問題にします。
インナーチェンジングセラピーではその行動を引き起こしている思考も大切にしますが、その行動を起こしているとき、そのように考えているときの感情に向き合い、それを処理することにより、結果として思考の自然な変化、行動の自然な変化を促します。